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よくある導入部のパターン
よくある導入部のパターン
「TRPGシナリオの構成、基本的な考え方」では、導入部に対する考え方をまとめさせていただきました。今回はもう一歩踏み込んで、探索者同士が赤の他人であっても、導入を自然かつ簡単にする例を書いてみようと思います。サクッとシナリオを作ってみたい!という方は、深く考えずに下記の形式の中から一つを選んで、それに則ってシナリオを作るといいかもしれません。
①依頼を引き受けるパターン
探索者のもとに相談に訪れたNPCによって、シナリオに導入するパターンです。NPCは「職業が探偵の探索者の依頼人」であったり、「学生時代の友人」であったりします。事前情報のない探索者に対して、依頼の形で情報を提供できるので、ロールプレイが比較的容易な導入と言えます。
ただ、シナリオ中の怪異の種類によっては「え?そんなこと友人に依頼する?」とか「人に言わずに自分でやれよ!」みたいに、依頼形式にそぐわない内容もありますので、要検討です。
②行方不明の友人パターン
友人のNPCが突然行方不明になり、それを探す形でシナリオに導入するパターンです。行方不明になる友人は事前の行動が不可解だったり、奇妙なメッセージを残していて、それが探索のキーワードになることが多いです。「行方不明の兄を探してくれ」のように、依頼型の形式をとることも多いです。
キーパーが「友人が行方不明です、どうしますか」とプレイヤーに伝えれば、大抵の場合は、「じゃあ探します」となるのがクトゥルフ神話TRPGですから、比較的容易な導入です。ただ、割とありがちな導入ですので、シナリオ作成の際には行方不明の謎を演出してあげて、個性を出すといいかもしれません。
③事件が勃発パターン
探索者が偶然、何かしらの事件に巻き込まれるパターンです。偶然その場に居合わせた探索者達が怪異に巻き込まれたり、不特定多数が集まるイベントに訪れた探索者達が事件に巻き込まれたりします。偶然その場に居合わせた想定であれば、探索者達に交友関係がなくても構いません。同窓会などのイベントで事件が起こるなら、探索者達は同窓生であることが求められたりします。
自由度が高く、作成しやすい導入パターンです。探索者を導入させやすいように、事件が勃発する場所の設定を良く考えるとよいでしょう。
④旅行パターン
探索者が旅先で事件に巻き込まれるパターンです。「事件が勃発する導入」の一つですが、特に使いやすいので独立した項目としました。交友関係のない探索者達を、旅先の旅館や船の中で強制的に出会わせることも出来ます。旅先を離島や山奥とすれば、自然に探索者をクローズドのシナリオへ導入することが出来ます。
⑤目覚めたらパターン
王道と化した「目が覚めたら見知らぬ場所でした」のパターンです。非常に作りやすく、自由度は断トツで高いです。難点は、使い古されて飽き飽きしている人もいることでしょうか。
シナリオの舞台は異世界(夢幻郷など)である場合が多いです。架空の世界のため、設定などは自由に作成してよく、好きなようにシナリオを作成出来ます。
目が覚めた先が異世界でないパターンもあります。その場合は、見知らぬ個室や建物の中に探索者がいて、「悪い組織に捕まって、その場に捕らえられていた」「魔術的な影響によって直前の記憶を失っている」などの状況であることが考えられます。
最後に
導入部でよく用いられるパターンを列挙してみました。上記はあくまで一部であって、シナリオへの導入は、様々なやり方がありますが、ご参考になれば幸いです。