クトゥルフ神話TRPG シナリオの作り方 コラム

よくあるエンディングのパターン

投稿日:2016年10月10日 更新日:

よくあるエンディングのパターン

よくあるエンディングのパターン

 「TRPGシナリオの構成、基本的な考え方」では、エンディングパートに対する考え方をまとめさせていただきました。今回はもう一歩踏み込んで、よくあるエンディングの例(シナリオをクリアするための条件)を掘り下げて書いてみようと思います。サクッとシナリオを作ってみたい!という方は、深く考えずに下記の形式の中から一つを選んで、それに則ってシナリオを作るといいかもしれません。

①”小さな敵”に打ち勝つシナリオ

 クトゥルフ神話TRPGには、人間でも(準備を整えれば)戦闘で打ち勝てるクリーチャーがいます。そうした”小さな敵”が人間に害をなしていて、それを打倒するシナリオです。探索者が探索によって敵の動向や性質を見極め、敵を発見・撃破する、というような筋が一般的です。

 また、敵はクリーチャーではなく、「狂気に陥った人間」であったり、「黒魔術的なアーティファクト」であったりする場合もあります。そうした敵が凶事を引き起こしている場合も、その人間を取り押さえたり、アーティファクトを破壊することによって、シナリオのクリア条件とすることが出来るでしょう。
上記のようなエンディングは、”悪者を撃破する”、非常に分かりやすいシナリオになるでしょう。

②”大きな敵”を退散させるシナリオ

 クトゥルフ神話TRPGには、人間の力では到底太刀打ちが出来ない、神格級の存在が数多くいます。それらが人間に害をなしていたとしても、探索者個人の力ではそれを打ち負かすことは困難(不可能)でしょう。そうした”大きな敵”を相手にした場合、よくあるエンディングの例としては「退散」や「沈静化」が挙げられます。

 大きな敵を「退散」させる場合、探索者はそれを退散させる方法を見つけなくてはなりません。よくあるのは呪文による退散で、探索者はエンディングに辿り着くまでに何とかしてその呪文を知り、習得しなくてはなりません。

 また、大きな敵が何かしらの原因によって凶事を引き起こしている場合、探索者はそれを「沈静化」させる必要があります。古文書などを読み解きながら、凶事の原因を突き止め、それを排除して大きな敵を沈静化させる、などの物語が考えられます。

 なお、神格級の存在を探索者が直視してしまうと、SAN値が大きく削られてそのまま再起不能になってしまうことがあります。エンディングでそのような事態を避けるためには、「神格級の存在が黒幕によって召喚される最中に探索者が訪れ、探索者が直視するのは神格級の存在の一部位のみとする」など、SAN値減少の値を軽減するために少し捻ったアイディアが必要になります。

③危機的な状況から逃走・脱出するシナリオ

 危機的な状況から生還しなければいけないシナリオです。危機的な状況の例としては、「強大なクリーチャー」や「建物の崩壊や災害」といった物が挙げられます。これは「敵を倒すと、建物が崩壊する」「アーティファクトを破壊すると、雪崩が起きる」など、他のエンディングパターンに付随することもあります。

 脱出のための運転技能や、DEX抵抗ロールを求めることが多いですが、そのロールに失敗すると即ゲームオーバーというのは酷薄すぎる感も否めませんので、その成功率については「途中の探索によるボーナスを与える」など、工夫をしてあげるとよいでしょう。

④悪事を阻止するシナリオ

 クトゥルフ神話TRPGには、己の目的のために魔術的な悪事を働く、悪い組織や教団、クリーチャーが登場します。そうした者たちの企みを阻止するというシナリオです。例えば、「悪い組織の本拠地で、悪事の元凶であるアーティファクトを破壊する」、「邪神召喚のため魔方陣の一角を破壊して儀式を崩壊させる」などの筋が考えられます。

 ただ単純に悪事を阻止するだけだと、「今回は阻止したけど、いずれ、敵が同じことを繰り返すのでは…?」とモヤっとしたエンディングになってしまうかもしれません。そうならないために、探索者が悪事を阻止すると同時に「敵の悪事に重要な役割を果たすアーティファクトの崩壊」であったり、「邪神への生贄の儀式を妨害されたことで、邪神の怒りをかった教団が壊滅する」など、敵方が再起不能になるような設定を考えるとよいでしょう。

 クトゥルフカルト・ナウには様々なクリーチャー集団や新興宗教などが紹介されています。是非、参考にしてみてください。

⑤何らかの問題を解決するシナリオ

 呪いなどの何らかの問題を抱えているNPCや、シナリオ導入部で問題を抱えてしまった探索者がいた場合、その問題を解決することが出来ればシナリオクリアと言えます。

 このパターンは「敵を倒せば呪いが解ける」など、他のエンディングパターンに付随する場合がほとんどですが、単独で成立することもあります。例えば、魔術的な呪いを受けた探索者が、カラクリだらけの屋敷の中でその解除方法を探さなければいけない、などの筋が考えられます。

 中々、作成が難しいエンディングのパターンですが、敵のいない珍しいシナリオとして、考えてみるのも一興でしょう。

 

最後に

 エンディングでよく用いられるパターンを列挙してみました。上記はあくまで一部であって、シナリオのクリア条件は、様々な考え方がありますが、ご参考になれば幸いです。  

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