CoCシナリオ 作者:ホリ 耶話鳴えオリジナルシナリオ

眠り姫の事件簿

投稿日:2015年11月29日 更新日:

はじめに

シナリオの概要

 幼い頃、耶奈江市と言う自然豊かな地方都市に暮らしていた探索者は、その地域に住んでいる仲のよい友人達と毎日のように遊んでいた。陽だまりのような、日常に溶け込んだ幸せを、そうとも感じずに当たり前のように享受していた彼ら。しかし、ある日、友人の内の一人である石田正義が、同じくその一人である夢見桜子を突然に暴行し、重態に陥れると言う傷害事件が起こり、彼らの日常は壊れてしまった。全国的に報道されたこの事件は、仲の良かった彼らの関係を、疎遠な物にしてしまった。

 それから17年の年月が経ち、かつての友人達が、それぞれに大人になった現在。探索者の周りに再び忌まわしい事件が、立て続けに起こる。かつての友人である鳥間薫が起こしたという通り魔傷害事件。友人・寺原慎司の奇怪な死。そして彼の部屋に残された、17年前の事件の加害者・石田正義と、被害者の妹である夢見雪乃の仲睦まじい写真。その後も、次々と何者かに襲われる旧友達…。探索者は謎を解き明かし、この呪われた事件に終止符を打つことが出来るのか。

シナリオの背景

 17年前の耶奈江市。探索者やその友人達が平和に暮らしていたこの町で、夢見家は骨董品屋を営んでいました。好事家な夢見家の父親は、頻繁に海外を渡り歩き、各地で様々な珍品を集めては耶奈江の店で展示していました。ある日、そうして入手した珍品の中に、「青い金剛石の首飾り」と呼ばれる、呪われたアーティファクトが紛れ込んでしまいました。

 この「青い金剛石の首飾り」は、古い時代、ニョグダを崇拝し神秘の力を得ていた魔術師によって作られました。魔術師の呪いとも、執念とも呼べるような歪な意志を封じられたそれは、遥か昔に死んでしまった魔術師の復活をたくらんで、そのための生贄を渇望しています。この首飾りに魅入られた者は、その精神に魔術師の意志を注ぎ込まれ、生贄を求めるようになってしまいます。かつて、この首飾りを手にした者たちは全て気を狂わせ、不幸な最後を遂げてきました。そうして曰くつきになったこの首飾りが、ついにこの極東の地まで流れ着いたのです。

 夢見家の長女である桜子は、自宅でこの首飾りと出会ってしまいました。そして、幼く、無防備な彼女の心へと忍び込んだ首飾りの意志は、彼女を利用して生贄を求めます。しかし、桜子は殺人を犯すにはあまりに幼く、世間を知りません。狂気に陥った桜子は、自分を中心に見た狭い世界の中で生贄を求め、自らの友人達を手にかけようとします。

 桜子の友人の一人である石田正義は、一般的な少年ですが、先天的に魔術師のような、神秘に対する感受性が人よりも高かったと思われます。生贄を求めて訪れた桜子を見て、その精神や、胸元に下げられた首飾りの中に存在する禍々しい魔術師の意志を感じ取り、石田は本能的な恐怖を感じました。そして、桜子が凶行に及ぶ前に、逆に石田が凶行に及んでしまうのです。石田は凶行によって桜子の動きを封じた後、首飾りを人目につかない所へ廃棄しなくてはならないという衝動を覚え、それを山中にあった廃れた古井戸の中に投げ入れてしまいます。かくして、首飾りに込められた禍々しい意志は、擬似的に封印されたような形になりました。

 しかし、狂気に陥った桜子が石田の下に訪れた時、近くにいた黒木匠という少年は、桜子が胸元に付けていた首飾りを凝視してしまっていました。そして黒木の中にも、首飾りの意志は僅かに、混入してしまっていました。首飾りの意志は、黒木の精神の中で、少しずつ膨らんでいくことになります。

 黒木は桜子のことを好いていました。幼い黒木の憧憬は、首飾りに魅入られた時に感じた心酔と重なり、歪な物へと変化していきます。また黒木は、大人になるにつれ開花していく、芸術的な才能がありました。黒木の中で徐々に肥大化していく首飾りの意志と比例して、日ごとに増していく桜子への歪な愛情が、黒木の芸術として発露し、いつの間にか黒木は、桜子を模した人形を作り続けるようになっていました。

 17年後、黒木は一体の人形を完成させます。この人形も桜子を模して作られた物ですが、17年前に黒木が魅入られた首飾りを模した物も、その首に付けられました。魔術師の意志が精神に混在している黒木が、17年間の精錬の果てに作り、極めて精巧な存在となったその首飾りの贋作は、「青い金剛石の首飾り」に封じ込められた魔術師の意志と、現実世界とを媒介する、魔術的なアーティファクトとしての力を持つに至ります。魔術師の意志は、黒木が作成した首飾りの贋作の中にも宿り、その人形を我が身のように動かすことで、生贄を求められるようになりました。こうしてこの人形が、大人になった探索者の周囲で、奇怪かつ残忍な事件を巻き起こしていく事になります。

 

シナリオを始めるにあたって

探索者について

  • 探索者の内、一人をストーリーに深く関わる「メイン探索者」とします。
  • メイン探索者は、シナリオに登場する夢見や石田といった者たちの旧友であることにしてください。
  • メイン探索者は17年前に耶奈江市に住んでいたことにしてください。

登場人物(NPC)について

<主要登場人物(17年前の旧友たち)の簡易的な説明>

※詳細は別途資料「 登場人物一覧(キーパー用) 」をご参照ください。

夢見 桜子(ゆめみ さくらこ)

”17年間、眠り続ける女性”

年齢:26歳 職業:―

17年前、石田に頭部を強く打たれ、意識不明の状態になった少女。当時から現在に至るまで、昏睡状態は続いている。妹と石田の看護によって、生かされている。

石田 正義(いしだ まさよし)

”17年前の事件の加害者少年”

年齢:27歳 職業:土木作業員

17年前、不吉な首飾りに心を侵された桜子の凶行を、己の凶行によって止めた少年。その後、更正施設で生活していた。出所し、今は働きながら雪乃と共に桜子の介護をしている。

夢見 雪乃(ゆめみ ゆきの)

”桜子を看護する妹”

年齢:22歳 職業:休職中

桜子の妹。両親に先立たれ、桜子の介護もあり途方に暮れていた所、石田に援助を申し出られる。共に桜子の面倒を見る内、石田に惹かれていき、今は彼の子を身篭っている。

鳥間 薫(とりま かおる)

”警察に追われる通り魔”

年齢:27歳 職業:会社員

自宅付近で通りすがりの女性を刃物で刺す通り魔傷害事件を起こし、警察に追われている。実際には桜子の姿をした少女に襲われ、錯乱状態の中で起こしてしまった事件だった。

寺原 慎司(てらはら しんじ)

”心臓をくり抜かれた記者”

年齢:25歳 職業:雑誌記者

今回のシナリオ導入部で殺されてしまう、探索者の旧友。職場である雑誌社で「石田と雪乃が写ったスキャンダラスな写真」を目にし、相談のために探索者たちを自宅に呼び出した。

浦澤 将護(うらさわ しょうご)

”探索者と旧知の警察官”

年齢:26歳 職業:警察官

探索者と共に寺原に呼び出されていた旧友の一人。耶奈江市で警察官として働いている。階級は巡査で、交番勤務。事件捜査に直接関わる刑事ではない。

黒木 匠(くろき たくみ)

”心を侵された芸術家”

年齢:23歳 職業:無職

17年前の事件の際、桜子が付けていた首飾りを凝視してしまい、精神的な侵食を受けてしまった少年。何かに憑かれたように幼少期の桜子を模した人形を作り続けている。

<サブ登場人物の簡易的な説明>

中野美貴(なかの みき)

”黒木家の家政婦”

年齢:55歳 職業:家政婦

17年前の事件以前より黒木家に勤めていた家政婦。自宅で引き篭りがちの黒木匠のことを心配している。

桜子の姿をした少女

”謎の殺人鬼”

今回のシナリオで、心臓をくり抜く奇怪な事件を起こしている存在。黒木によって精巧に作られた桜子を模した人形は、首飾りの魔術的な呪いによって、古の魔術師を復活させるために生贄を求めて彷徨う。

ニョグダの一欠けら

”闇に棲むもの”

グレート・オールド・ワンであるニョグダから分離した、その一欠けら。意思を持たず、僅かな知能しか持たないが、それでも一人間には禍々しく脅威的な存在だ。

古の魔術師

”元凶”

古の時代にニョグダを崇拝し、神秘の力を得ていた魔術師。遥か昔に死んでいるが、その生前の意志を封じ込めた首飾りが残されており、魔術師自身の復活のために生贄を求めている。

別途資料一覧

 シナリオを進行させるための別途資料を下記に一覧化します。シナリオを進行させる際に適宜使用してください。

<キーパー用資料>

登場人物一覧(キーパー用)

<探索者用資料>

登場人物一覧(探索者用)

 

シナリオ 導入パート

メイン探索者の導入:幼き頃の夢、現在の状況(8月13日/朝)

 メイン探索者は、「17年前に耶奈江市で目撃した事件の夢を見る」「かつての旧友が通り魔事件の容疑者として警察に指名手配されている」「寺原に呼び出されていることを思い出す」の3つの出来事からシナリオへと導入されることになります。

 メイン探索者の導入は、その年の8月13日、お盆休みが始まった頃の朝より始まります。キーパーは下記文章を参考にして、導入を行ってください。

 現在より17年前の、大きな入道雲が空に浮かぶ真夏の季節。[探索者]は蝉時雨の降る山道を登っていく。その山の中腹には木材とトタン板で造られた小さな掘建て小屋があり、[探索者]と7人の友人たちはそこを”秘密基地”と称して遊び場にしていた。そこに行けばいつも誰かしらが居座っていて、今日もその友人達の誰かと遊ぶつもりだった。

 道の先、生い茂った木々の合間から秘密基地が覗く。暑さで滲み出た額の汗を拭いながら、[探索者]は掘っ立て小屋へと到達し、中へと歩を進める。強烈な太陽の日差しから解放された目は、小屋の中の日陰に慣れるまで時間が掛かった。そこには先に到着していた、見知った友人たちの姿があった。[探索者]がその場に訪れたことに気づかないはずはないのに、友人達は、魂のない人形のようにその場から動かなかった。[探索者]はすぐにその場の異様な雰囲気を感じ取り、直後、惨事を目の当たりにした。雪乃と黒木が呆然と立ち竦む中、桜子は微動だにせず、地に伏せてその頭からドクドクと血を流していた。今まで、[探索者]が見たことのない量の、鮮やかな血の水溜り。その水溜りに足を置き、血だらけの大きな鍬(くわ)を持った石田正義が、肩で息をしながら佇んでいた。

 石田はハタと、金縛りから解かれたかのように、地面から”何か”を拾い上げる。そして、[探索者]のことなど目もくれず、突き飛ばして小屋の外へと走り出す。ちらりと見えたその表情は、焦りとも怒りとも取れる、子供には似つかわしくない強張った物だった。[探索者]も突然のことに訳も分からないまま、石田の後を追おうとすると、雪乃が大声を上げて泣きはじめた。その声に[探索者]は我を取り戻し、桜子の様子を確認すると、大人の助けを呼びに麓へと駆け出した…。

 [探索者]が目を覚ますと、自身の寝汗で着衣が湿っていた。外からは蝉の声が聞こえる。今日は17年前のあの日のような、焼けるような真夏日だった。[探索者]は嫌なことを思い出してしまったとため息をつく。ふと、付けっぱなしにしたテレビからニュースキャスターの声が耳に入る。

 「8月11日未明、耶奈江市で帰宅途中の女性が刃物で刺された通り魔事件の容疑者は、未だ逃走を続けており、現地では緊張状態が続いています…」

 テレビを見やると、見覚えのある顔が映し出されていた。

 キーパーは上記の情報をメイン探索者に伝えた後、登場人物一覧(探索者用)をメイン探索者に渡し、7人のキャラクターそれぞれについての説明をしてください。17年前に起きた事件以降、当時仲のよかった友人たちとは疎遠になっており、現状で分かっている情報は少ないことを伝えてください。

 また、耶奈江市で起きた通り魔事件について、キーパーは下記情報を探索者に提供してください。

<耶奈江市の通り魔事件の詳細について>

 8月11日未明、職場から帰宅途中の女性が、突然に背後から刃物で刺される通り魔事件が起きました。女性は一命は取り留めたものの重傷を負っています。警察は現場の遺留物や近くの防犯カメラの映像から、犯人を鳥間薫と断定しています。公開捜査に踏み切り、懸命の捜索が行われていますが、現在も鳥間は捕まっていません。なお、犯行現場は鳥間の自宅と、目と鼻の先の場所でした。

 引き続き、キーパーは下記文章を参考にして、導入を行ってください。

 [探索者]は今日、寺原に、寺原の自宅に招かれていることを思い出す。何でも、余人に聞かれたくない、相談したいことがあるそうだ。深刻な寺原の姿勢に、[探索者]は了解を既に出している。[探索者]は寺原の自宅へと向かうことになる。

 キーパーはここでメイン探索者に対して耶奈江市の地図を提供してください。寺原に招かれている彼の自宅は、17年前にはメイン探索者が友人としてよく訪れていた場所であり、メイン探索者は場所をよく知っていることを伝えてください。(なお、メイン探索者が寺原の自宅を訪れるまでに、彼に連絡をとろうとしても寺原は応答することは出来ません)

 また、キーパーはメイン探索者の所持品などを確認してください。その後、メイン探索者の行動を伺いつつ、メイン探索者を耶奈江駅へと誘導してください。

 耶奈江駅に着くと、駅前に数人の警察が見受けられる。トランシーバーなどで連絡を取り合っている様子から、緊迫している様子を感じ取ることが出来る。辺りにはお盆休みにも関わらず人が少ない。それらは耶奈江市で起きた通り魔殺人事件が原因と推察出来る。

 キーパーはメイン探索者が寺原の自宅に向かう所で導入を一時中断し、その他の探索者の導入を行うと良いでしょう。それは後述する【導入(基本合流地点)】が、探索者同士を合流させるポイントとなっているからです。

導入(基本合流地点):寺原の自宅にて

 この章にて、メイン探索者に他の探索者が合流することが好ましいです。

 合流の例としては、「探索者と同じく、17年前当時の旧友の一人として寺原に呼び出されていた」「寺原の勤務先である雑誌社の関係者で、後述する写真の件で寺原に呼ばれている」「偶然近くを通りかかった者で、後述する寺原の母親の悲鳴に駆けつける」などがあります。そのストーリーはキーパーと探索者の意向に委ねられています。

 下記文章はメイン探索者に向けて作成された導入部になります。キーパーは下記文章を参考にして、導入を行ってください。なお、この時点で、寺原は死亡しており、どのような呼びかけにも応答出来ないことにキーパーは注意してください。

 [探索者]は見知った道を淀みなく進み、17年前と変わりない外観をした寺原の家へと辿り着く。寺原の実家は、ブロック塀に囲われた、一般的な二階建ての一戸建てだ。入り口にはアルミの門がついており、寺原と書かれた表札の近くにインターフォンが付いている。

 インターフォンを押すと、呼び出し音が鳴ったとしばらくして、「どちら様ですか?」と女性の応答があります。この女性は、17年前には幼かったメイン探索者の面倒をよく見てくれた、寺原の母親です。寺原の母親はメイン探索者のことを今でも覚えており、好意的に応対してくれます。彼女はすぐに表に出てきて、メイン探索者との再会を喜ぶことでしょう。

 「ちょっと待っててね。慎司(寺原)は、まだ部屋で寝ているの。今起こしてくるから」

 苦笑しながらそう言うと、寺原の母親は家に向かって小走りに戻っていく。[探索者]は17年前にはよく訪れていた寺原の部屋を思い浮かべる。彼の部屋はこの家の2階にあるはずだ。母親が寺原を呼びに戻って、しばらくすると、

「キャアアア!」

 突然、家の中で女性の叫び声が響いた。聞いた側も本能的に事態の深刻さを感じるほどの絶叫だった。寺原の母親の声だ。

 [探索者]が家の中に突入すると、玄関の目の前にある階段の先、2階から寺原の母親の悲痛な叫び声が聞こえてくる。「慎司、慎司」と、息子の名前を口にしながら泣き叫んでいる。

 [探索者]が2階の、寺原の部屋へと向かうと、その扉は開かれており、[探索者]は惨状を目の当たりにしてしまう。

 赤、赤、赤。部屋中、天井まで飛び散った赤黒い血痕。開け放たれた窓にかかったカーテンが揺れている。部屋の隅にあるベッドは血液を多分に含み、濁ってしまった赤色のペンキ缶をひっくり返したかのようだ。そのベッドには男が仰向けに倒れており、それに寺原の母親が夢中で泣きすがっている。彼女がゆする度に、男の身体は意思なくグラグラと揺れる。血みどろの隙間から見える青白い肌。そして何より、胸にぽっかりと開いた、肉をごっそりと持っていかれたような穴を見て、その男が死んでいることは誰の眼にも明らかであった。

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医学・応急手当:血だらけの寺原は死亡しており、既に死後数時間以上が経っていることが分かる。胸に穴が開いており、心臓がくり抜かれていることに気が付く。

目星:寺原の胸に穴が開いていることに気が付く。

<寺原の死について>

 首飾りの意志が宿った人形(※詳細は「シナリオの背景」の項を参照)によって、寺原はその命を絶たれています。寝込みに襲われているため、寺原に抵抗した様子はありません。心臓がくり抜かれているのは、それが古の魔術師を復活させる儀式に必要な供物だからです。

 上記ロール後、探索者が何かのアクションを起こそうとする前に、下記の文章を参考に浦澤を登場させてください。

 突然、階段を誰かが駆け上ってくる音が響く。[探索者]がそちらを見やると、若い男が険しい表情で2階へと駆け上ってきていた。

「どうしました」

若い男はそう言い、[探索者]に一瞥をくれて部屋の中に突入する。そして、辺りを見渡してから、寺原の母親の元へ駆け寄り、彼女をそこから引き離そうとする。

「落ち着いてください」

若い男は、寺原の母親を宥めようとするが、彼の声は彼女に届いていないようだ。若い男は自らの携帯を取り出し、電話をかける。その様子から、警察に電話をかけているようだと分かった。

アイディア:[探索者]に声をかけた若い男が浦澤であることが、その面影から分かる。

聞き耳:若い男が電話口で名乗り、彼が浦澤であることが分かる。

 この時点で、念のため、探索者の行動の意向を聞いてください。母親を宥めるなどの行動をする場合は、精神分析にて成否を判定してください。もし、部屋の中をあれこれ探索しようとした場合は、通報中の浦澤にそれを叱責させ、部屋から追い出すなどしてください。部屋を見渡す程度の行為であれば、目星によって下記情報を出してあげてください。仮に目星のロールに失敗した場合でも、後にその情報を開示する機会があります。浦澤は、後にパトカーが現れるまで、携帯で警察に対して現場の状況を伝え続けています。

目星:床に、写真が落ちていることに気が付く。自分と同世代の男女が仲睦まじく買い物をしている様子を撮影した写真だった。写っている女の腹は不自然に膨れており、妊婦だと思われる。写真には住所と思われる文が手書きされている。(画像「男女の写真」を探索者に渡してください)

アイディア:写真に写っている男が石田であることに気が付く。

アイディア:写真に写っている女が雪乃であることに気が付く。

<男女の写真に記載された住所について>

 写真に記載された住所は、石田と雪乃の暮らすアパートの住所です。九檻市にある住所が記されています。九檻市は耶奈江市から電車で3時間ほど行った場所にあります。

 浦澤が警察に電話してすぐに、駆けつけてきたパトカーのサイレンの音が聞こえます。パトカーの音がすると、浦澤は外へと飛び出して行きます。

 2人の刑事が浦澤に案内されて、部屋に入って来ます。刑事はあまりの惨状に一瞬怯みながらも、寺原の母親や探索者を部屋から追い出し、現場の保存などの捜査活動を始めます。浦澤と刑事の知己同士のような遣り取りから、浦澤が警察の関係者であることが伺えるでしょう。

 しばらく後に、若い男は探索者が誰なのか気づいていたようで、自分が浦澤であると名乗り、声をかけて来ます。

「お前、[探索者]だろう。久しぶりだな」

「お前も寺原に呼び出されたのか?」

などと、浦澤は探索者と言葉を交わし、自分も寺原に呼び出されて、この家を訪れたと話すことでしょう。

 浦澤は悲しむような表情を浮かべ、ため息を吐く。

「鳥間の事件は聞いてるだろう? 17年前と言い、寺原といい、俺達の周りはこんなことばかりだな。まるで呪われているかのようだ」

浦澤は[探索者]の肩に手を乗せ、

「お前も何かに巻き込まれないように気をつけろよ」

と言うと刑事達の方へ歩き去って行った。

 この後、探索者は警察の現場検証に立ち会うことになります。(断ってもよいのですが、それは警察の心象を悪くするでしょう。浦澤からも現場検証に付き合うよう、強く要請されます)

 警察の現場検証に立ち会うため、[探索者]は寺原の部屋に再度足を踏み入れることになる。落ち着いて部屋の中を見渡すと、その異常性に気がまいってしまいそうになる。警官に、[探索者]が部屋に突入した時の部屋の様子や、[探索者]がどのような行動をしたかなど、事細かに質問され、それに回答する。

 「男女の写真」をまだ発見していない場合は、下記のような内容で、写真を探索者に発見させてください。この写真は、探索者にとって探索を始める切欠となるものですので、どのような経緯でも必ず発見するようにしてください。

 そうした最中、[探索者]は1枚の写真が落ちていることに気が付く。床に無造作に落ちているそれは、自分と同世代の男女が仲睦まじく買い物をしている様子を撮影した写真だった。写っている女の腹は不自然に膨れており、妊婦だと思われる。写真には住所と思われる文が手書きされている。(画像「男女の写真」を探索者に渡してください)

アイディア:写真に写っている男が石田であることに気が付く。

アイディア:写真に写っている女が雪乃であることに気が付く。

 「男女の写真」を発見した後、下記の文章を参考に導入部分を進行させてください。

 場所を警察署に移し、警察の質問に答える、指紋などを採取されるなどをしている内に、解放される頃には夜になってしまった。その夜、[探索者]の自宅まで警察が送ってくれることになった。帰り際、警察署を出る所で「おい」と、浦澤に話しかけられた。

「連絡先を教えてくれ。こんなことがあって、しばらくはそんな気持ちになれないとは思うが、また今度、飲みにでも行こう」

 ここで、浦澤と連絡先を交換しない場合、「定期イベント:浦澤からの電話」が起こせなくなります。忘れずに連絡先を交換するようにしてください。

 翌朝、テレビでは昨日の寺原の件が、殺人事件として大きく取り上げられていた。「またも殺人事件。平和な町に、いったい何が起きているのか」「先日の通り魔事件との関連性は」「地元の小学校は臨時休校」など、報道番組はこのショッキングな話題で持ちきりだった。

 以上で導入部分が終了となります。この後、下記の探索パートと、定期イベントの項を参照しながらエンディングに向けてシナリオを進行させてください。

 

シナリオ 探索パート

※各場所によって起こるイベントや情報を下に記載します。キーパーは下記情報を参考に、探索者の探索を進行させてください。

石田正義・夢見雪乃・夢見桜子の現住所

 九檻市は耶奈江市より電車で3時間ほど行った場所にあります。九檻市内にあるアパートに石田と雪乃は住んでいます。

 住所を頼りに進むと、駅から離れ、細い道を辿った所に、二階建てのアパートが視界に入る。見るからに古い建造物で、壁や階段の汚れが目立っている。そのアパートの一階が、写真に記載されていた住所のようだ。

 古めかしい呼び鈴を押すと、中から「はい」と男性の声がする。薄い扉越しに、中から床を軋ませて歩く音が聞こえ、しばらくすると男性が顔を出す。
写真に写っていた若い男性だ。男性は[探索者]の顔を見るなり、怪訝そうな表情を浮かべ、すぐに驚きの表情へと変わる。

「もしかして[探索者]か?」

 男性(石田)には[探索者]が何者なのか、すぐに分かったようだ。石田は、[探索者]との再会を喜ぶように笑顔を浮かべるが、すぐに自分をたしなめるかのように、表情を堅くする。

「どうしたんだ?どうしてここが分かったんだ?」

 探索者が寺原の話をした場合、石田はその報を未だ知らず、とても驚きます。石田はテレビや新聞を見ておらず、世間の情報にはやや疎いです。

探索者が写真の話をした場合、石田は周囲に目を配り、探索者たちを家の中へと引き入れます。

 家の中は、家の外観と同様に古さを感じさせるものだった。キッチンはシンクとコンロしかない小さな物で、冷蔵庫が場所を圧迫している。玄関から見える部屋は6畳ほどの広さの洋室で、部屋の隅に布団が畳まれている。ホームセンターで安価で買えるような棚と、小さなローテーブルが置かれている。ローテーブルに肘をかけるようにして、写真に写っていた若い女性が座っている。腹は写真で見たときより膨れているように感じる。奥の壁には木製の扉があり、奥に更に部屋が続いていることが伺える。

人類学:時計やゴミ箱といった雑貨は見受けられるが、物が少ない上に娯楽の類は見当たらず、非常に質素な生活を送っていることが感じられる。

 奥に見える扉は、桜子の部屋に続くものです。

 若い女性(雪乃)は怪訝そうな顔で[探索者]のことをみる。

「どちら様ですか」

と[探索者]たちに問いかける。石田は[探索者]に代わり、

「[探索者]だ。覚えてないか?」

と答えを返す。雪乃は[探索者]達のことをよく思い出せない。

「仕方ないな、当時は幼かったから」

と石田は苦笑した。

 写真について、石田は存在を知っています。寺原が殺害される数日前に、寺原は石田の家に訪れていたのです。雑誌記者をしていた寺原は、石田と雪乃という、加害者と被害者の恋愛というスキャンダラスな写真の存在をいち早く掴んでいました。寺原はかつての旧友として、石田たちの家を訪れ、二人に事の真相を確認しに来たのです。

 石田は以前、寺原に話した内容を、探索者達にも話してくれることでしょう。

 キーパーは下記内容を探索者に開示するとよいでしょう。

<石田と雪乃>

 石田は少年院を出た後、現在まで土木作業員として働いています。出所後も、弁護士を通じて夢見家への謝罪や賠償を誠心誠意行っており、ついには桜子やその家族への面会も許されるようになっていました。桜子は現在も植物状態にあり、雪乃の自宅で(奥の部屋で)の介護を行っている状態です。

 石田が出所し、桜子への面会を許された頃、突然に桜子と雪乃の両親は交通事故で他界してしまっています。取り残された雪乃が途方に暮れている中、石田が桜子の介護を援助することを提案しました。桜子の介護(2、3時間ごとの痰の吸引や、定期的な体位の変更など、植物状態の者への介護は過酷であり、とても働きながら出来るものではありません)を主に雪乃が行い、石田がそれを金銭的に、また実際に介護を手伝うなどの支援を行っていました。夢見家の両親が残した遺産と、石田の多くない賃金で何とか桜子の自宅介護を維持していました。そうして、石田と雪乃は頻繁に接触をするようになり、時が経ち、紆余曲折を経て、いつの間にか恋仲となっていました。雪乃は現在、石田の子供を妊娠しています。

 上記が石田と雪乃の現在に至るまでの経緯です。この他、石田と雪乃の現在の関係について、キーパーは下記内容を把握し、ロールプレイを進めてください。

<雪乃が妊娠した子供について>

 雪乃は妊娠した子供を産みたいと考え、石田もそのことを受け入れています。しかし、雪乃は子供の出産に伴い、桜子の介護(延命)を中止することを考えています。そして、石田はそれに強く反対しています。雪乃としては、今は何とか成立している自宅介護も、子供の誕生と共に難しくなること、また、桜子を病院に入院させるにしてもその入院費を賄える見込みがないことを理由としています。石田は、桜子を植物状態へと陥らせてしまった自責の念から、桜子を死なせることに対して賛同出来ません。石田にとっては、桜子への贖罪が自らの生きる第一義であって、雪乃との幸せな将来を優先することは到底出来ることではないのです。このことが、今現在、二人の間に少しずつ軋轢を生みつつあります。

 上記の理由から、石田は「桜子に早く目覚めて欲しい」と切に願っています。また、雪乃は強烈な後ろめたさを感じながらも「桜子に死んで欲しい」と思ってしまっています。雪乃にとって、今までの人生の大半、しかも青春の時期を介護に捧げてきたこと、そしてそれでもなお目覚める見込みのない姉という存在は、それほどまでに重い負担になってしまっているのです。このような二人の心理を、今後の探索者との会話によって伝えることで、探索者が探索する上で考慮すべきことが増え、シナリオに深みが出るかと思います。

 石田は17年前のことを聞かれると、言葉を濁します。特に、雪乃の前では話したがりません。桜子が旧友たちを襲っているという、今後の事件の展開がない限りは、なるべく事件の内容を口にしません。石田が過去を口にするタイミングは、桜子らしき人物(人形)が事件に関与していると探索者達が知り、それを石田に話した時でしょう。

「17年前…俺は気が狂っていたんだ。当時のことは今でもよく覚えている。秘密基地に来た桜子が、いつもと変わった所はないはずなのに、何故かとても恐ろしい化け物のように感じられたんだ。眼が合った瞬間、心臓を握られたような痛みを感じて、このままだと殺されると思って、無我夢中で近くにあった鍬で…。どうしてあんなことをしてしまったのか、今でも自分が信じられず、怖い。」

「あの時、地面から持ち去ったのは、桜子が持ってきた首飾りだ。何故、そんなことをしたのか、自分でも分からないのだが、恐らく気が動転していたんだろう。その首飾りを消し去らなくちゃならないと感じて、何所かに捨てに走ったんだ。秘密基地から麓に向かう途中の脇道に、古井戸があったろう。その中に投げ捨てたよ。」

 雪乃は石田の前では事件のことを話したがりません。雪乃は17年前は幼かったため、旧友たちや、事件のことをはっきりとは覚えていません。ただ、ぼんやりと何か、恐ろしいことがあったことは覚えています。

「幼かったからか、事件のことは断片的にしか覚えていないんです。ただ、とても恐ろしいと思ったことは覚えています。誰かに心臓を握られたような、そんな感触が、大人になった今でも忘れられません。身体が動かなくて、何も考えられなくて、ふと気が付いたら姉が血を流して倒れていたのです。姉がどうして倒れたのか、その場にいて見ていたはずだけど、何も思い出せないんです。」

夢見桜子の部屋

 石田の自宅の奥にある扉の先には、桜子が植物状態のまま、自宅介護されている部屋があります。

 6畳ほどの広さで、部屋の中央に大きなベッドが置かれている。そのベッドの上で桜子が寝ている。大人になった桜子は、色が白く、体つきも細いが、辛うじてその面影が感じられる。部屋の隅には車椅子(定期的に桜子を乗せ、体位を起こすためのもの)が置かれている。ベッドの横には台があり、タンクから管が生えた機械が置かれている。その他、ツボや衣類など、様々な物品が見受けられる。部屋の奥には窓があり、カーテンが掛けられている。

医学:管の生えた機械が、痰などを除去する吸引機であることが分かる。部屋にある物は全て、植物状態の患者を自宅療養する物として、特に不自然さは感じない。

黒木の屋敷

 今回のシナリオにおいて起こる事件と、深く関わることとなった黒木の家です。シナリオを進める上で重要な情報の多い箇所ですが、シナリオに進展のない内(「定期イベント:鳥間との邂逅」がまだ行われていない段階)では、黒木が一連の事件と深く関わっていると気づかせないシナリオ進行が望ましいです。その方が、後で探索者が自力で気が付いた時の達成感が大きくなると思います。キーパーは下記を参考にシナリオを進行させてください。

 古くから耶奈江市に住む、旧家の屋敷が立ち並ぶ地域。黒木家もまた、その中の一軒として、大きな屋敷を構えていた。17年前と変わらずに風格ある佇まい。秘密基地の最寄にあったこの家は、幼い頃によく上がりこんで遊んだ場所だ。外周は石垣に囲まれており、外からその内側を伺い知ることは出来ない。歴史を感じさせる古い木製の門は閉ざされている。門には近代に跡付けされたであろうインターフォンが付けられている。

 インターフォンを押すと、中年の女性がインターフォン越しに応答をします。この女性は黒木家の家政婦です。

<黒木家の家政婦について>

 黒木家の家政婦は、中野美貴(なかの・みき)と言う名前の、50代程度に見える中年の女性です。20年ほど前から黒木家に勤めており、17年前もこの場所で働いていました。探索者は幼い頃、黒木家を訪れる度に中野に面倒を見てもらっていました。中野は探索者のことを今でもよく覚えており、再会を喜びます。

 家政婦は、探索者が名乗ると、その来訪を喜びます。すぐに門の所まで駆けつけ、探索者を館の中に招き入れます。家政婦は、探索者を客間に通すことでしょう。

 門の中は大きな敷地だ。雑草が抜かれ、よく手入れされた土に、石畳の通路が屋敷の戸まで伸びている。門の中も、17年前とさほど変わりのない様子だった。屋敷は木造の2階建ての日本家屋だ。古めかしい戸を開け、中に入る。

目星:玄関に高さ30cmほどの球体間接人形が置かれていることに気が付く。女の子の姿をしており、可愛らしく佇むような姿勢をしている。

アイディア:玄関に置かれた人形の服装が、どこか幼い頃の桜子がよく着ていた物に似ていると感じる。

玄関からすぐ近くの部屋に通された。そこが客間であることを[探索者]は知っている。

<玄関に置かれた人形について>

 この人形は、黒木が17年前の事件以後の頃に作った物です。粘土で作られた型に、絵の具で色彩が付けられています。子供が作ったにしては非常に完成度が高く、この場所に飾られています。家政婦に人形について聞くと、「小さい頃のお坊ちゃんが作った物だ。子供が作ったとは思えないでしょう。可愛いから飾らせてもらっているの」と喜んで紹介してくれることでしょう。

 この人形はどことなく桜子を思わせる風貌をしていますが、実際に桜子を模して作られた人形です。子供が作った物としては信じられないほどのディティールとクオリティですが、まだ桜子を模していると確信を持って言えるほどには桜子と似ていません。

<黒木家について>

 現在、黒木家では黒木匠が一人で住んでおり、日中は家政婦である中野が家事を行いに訪れています。黒木家は早くに母親を失くしており、父親は仕事で多忙のため、幼い頃から家政婦の中野を雇っていました。現在、黒木の父親は仕事によって海外に単身赴任しています。

 家政婦は客間に探索者を通した後、聞いて欲しいことがあるようで、少し話をします。

 「お坊ちゃん、最近、家に引き篭もっているの。物を作ったり、絵を描いたりするのが好きな子だけど、その性質を拗らせてしまったみたいで…。芸術家肌なのかしらね。私心配で…」

<黒木匠について>

 匠はこのシナリオにおいて起きる、一連の殺人事件の黒幕とも呼べる存在です。彼がどのようにしてこの事件と関わっているかについては「シナリオの背景」の項をご参照ください。

 匠は現在、黒木の家に篭り、何かに憑かれたかのように人形を作り続けています。家政婦は、匠が何を作っているかについては知りませんが、一心不乱に芸術的な創作をしていることについては感知しています。母屋と別に建つ黒木家の土蔵は、匠によってアトリエのように使用されており、中には彼の創作活動に使う道具や、それによって彼が作り続けてきた創作物が多数置いてあります。匠は母屋に自室を持っていますが、最近ではずっと土蔵に篭り、寝る間も惜しんで作業を続けています。

 匠は、耶奈江市で起きている一連の殺人・傷害事件について、詳しい内容を知りません。家政婦から事件があった事は聞いていますが、興味がなかったために聞き流しています。匠は自分が作り上げた人形が凶行に及んでいる事についても知らず、そうしたことに関心もありません。彼は桜子への憧憬と、17年前の事件当時に桜子が付けていた首飾りへの心酔から、「事件当時の桜子を人形として再現する」事のみに執着しています。

 ただ、黒木は己の意志か、はたまた首飾りがそうさせるのか、自分の創作活動について他人に見せたがりません。なるべくその内容を秘匿しようとします。

 家政婦が黒木を呼びに行き、しばらくすると足音がし、客間に黒木匠が姿を現します。

 客間の入り口から、男が顔を覗かせる。日に焼けていない肌は、その男が内向的である事を窺わせる。

「[探索者]さん?」

 男は躊躇いがちに[探索者]に声をかける。

「お久しぶりです、黒木です」

 黒木は強張った表情を崩し、僅かに笑顔を浮かべる。何所となく落ち着きがなく、人と接することに慣れていないような印象を受けた。

アイディア・目星:黒木の手に乾いた土のような物が付いていることに気が付く。

地質学・適当な芸術/製作:その土が粘土だということに気が付く。

 黒木は探索者に対して、ぎこちないですが、丁寧に応対します。

心理学・人類学:黒木が軽度の対人恐怖症であることが伺える。

 この後、黒木と探索者との会話が始まります。下記を参考にしてシナリオを進行させてください。

 黒木に対して、探索者の周辺で起きている事件の話をした場合、黒木はそのことについて詳しく知りません。申し訳なさそうな表情を浮かべながら、逆に探索者に対して事件の内容を質問することもあるでしょう。

 黒木に17年前の事件について聞いた場合は、下記のような内容を答えます。また、下記について、黒木は探索者に桜子が17年前の事件の際に首に掛けていた首飾りの話をしようとはしません。探索者が問いかけたとしても、覚えていないと白を切ります。

「あの時のことは幼かったから、あまりはっきりとは覚えていません。ただ、秘密基地に桜子さんがやって来て、突然に石田さんが桜子さんに襲いかかったことは覚えています。自分は何が起きたのか分からなくて、気が付いたら桜子さんが倒れていて、[探索者]さんが傍にいて…」

 探索者が黒木に対して、黒木が現在行っている創作活動について質問すると、黒木は顔を真っ赤にして、口数を少なくし、どもりながら下記内容を答えます。

「大した物じゃないんです。特に目的があって作っているという物でもなくて…」

「絵を描いたり、物を作ったり…色々です。」

 探索者が黒木の創作活動を見たいと言った場合、黒木はそれを拒否します。その際、説得のロールに成功した場合は、黒木によって土蔵に案内させてもよいでしょう。

 また、探索者が黒木に桜子の現状を伝えた場合、黒木は驚いたような表情をした後、寂しげに顔を俯かせます。黒木にとって桜子は最大の興味の対象ですが、現状の桜子に対して大きな反応は見せません。黒木にとっての憧憬の対象は、17年の時を経て実際の桜子から、自身が作り出す夢想の桜子に代わられているからです。

黒木家の土蔵

 黒木家の土蔵は黒木家の敷地内にあります。数年前に黒木によって手を施され、今では黒木のアトリエや仮住まいのように使用されています。

 黒木家の敷地内、屋敷から少し離れた位置に、孤立して建っている土蔵。漆喰と板張りの壁に、木製の大きな門が付いている。門には大きな南京錠が付いている。

 黒木はポケットから鍵を取り出し、南京錠を外して中に入ります。

 土蔵の中は創作活動の場として、独特の臭いがした。板が張られた床にはブルーシートが敷かれており、落ちた絵の具が擦れてあちらこちらが汚れていた。壁際には沢山のキャンバスが積まれている。作業台には捏ねられた粘土があり、彫刻刀やヘラなど、道具が乱雑に置かれている。部屋の中央にはイーゼルがあり、そこには描きかけだろう絵が置かれている。何所かで見たことがあるような木々の景色の中、見たことのある少女がこちらを振り返っている絵だ。

アイディア:その景色が秘密基地の近くの山中で、少女が幼い頃の桜子であることに気が付く。

 黒木は探索者にイーゼルにかかった絵を見せます。それが17年前の景色であることを黒木に問うと、下記のような受け答えをします。

「幼い頃に起きたあの事件は、自分の人生に大きく影響を与えた物です。今でも時々夢に見るんです。自分にとっての原風景とも言えます。自分が創作活動をしようとすると、どうしてもその景色に辿り着いてしまうんです」

目星:土蔵の中に置かれている他の絵も、17年前の秘密基地周辺の景色であることに気が付く。

「さあ、もういいでしょう。ここはあまり他人に踏み入られたくないんです。もう出て行ってくれませんか」

 黒木は多少強引でも、探索者たちを土蔵の外に出します。プライベートな場所まで踏み込まれたことに、多少の怒りの色が見受けられます。

 なお、この土蔵には地下室があり、そこはこのシナリオのエンディングに重要な場所となります。エンディングに至るまでのシナリオ進行では、この地下室の存在は明かさない方がよいでしょう。

鳥間の屋敷(通り魔傷害事件現場付近)

 通り魔傷害事件の容疑者として追われている鳥間の住んでいた家です。探索者の探索に深みを出すため、連続して起きる事件に、鳥間が深く関わっていると偽装したいです。鳥間の家にはシナリオを進める上での重要な情報はありませんが、家の様子など、情報量を多く出すと良いでしょう。

 歴史と格式を感じる屋敷が立ち並ぶ高級住宅街。その一角に居を構える鳥間家もまた、他の屋敷と同様の威容を感じさせていた。木製の門は閉ざされ、石壁に囲まれた鳥間家は、中を伺い知ることは出来ない。鳥間家の近辺にはそこかしこに数人の集団が点在し、鳥間の家の様子を窺っているようだ。その中には、カメラや書類を持つ者たちがおり、彼らは報道関係者だと思われる。

聞き耳:「また幽霊少女が出た」と言う話し声が聞こえる。

<幽霊少女とは>

 最近、警察や報道関係者の間で、「幽霊少女」と言う都市伝説じみた話が話題となっています。「幽霊少女」とは耶奈江市で深夜に巡回中の警察官から目撃談が複数あったという、深夜に出歩く少女のことです。「幽霊少女」は小学生ほどの幼い少女で、警察官が保護をしようと近づいたり、声をかけたりすると、空気に溶け込んだかのように姿を消してしまうとのこと。この話を聞いた多くの者たちは、世の中に数多ある都市伝説の一つとして、まともには取り合っていません。

 鳥間の家のインターフォンを押したとしても、中からの応答はありません。中には鳥間の両親が住んでいますが、鳥間の起こした事件以降、押しかけた報道関係者の対応に疲れ、現在は居留守を使っている状態です。

かつての秘密基地

 17年前と同じ場所に秘密基地は存在しています。メイン探索者は秘密基地が、17年前の事件の直後、入り口に鍵がかけられたことを知っています。

 [探索者]は、かつて、毎日のように通った山道を登っていく。昔は長い道のりのように感じた道も、大人になった今ではむしろ短く感じた。進行方向に、17年の年月を経て錆付き、トタン板の壁が茶色に変色した掘っ立て小屋を発見する。懐かしさを感じる。昔は開け放たれていた秘密基地の扉は、現在は閉められており、南京錠が付いていた。

目星・鍵開け:南京錠は扉に引っ掛けられているものの、実際には鍵を掛けられていないことに気が付く。

 扉には鍵は掛けられていません。扉を開けると、中に入れます。

 秘密基地の扉を開け、中に入る。昔と同様、中には様々な道具が置かれている。秘密基地の中は昔とほとんど変わらない。[探索者]は17年前、この場所で起こった事件のことを思い出し、陰鬱な気持ちになる。

博物学:秘密基地の中に置かれている道具は、木々の伐採に使われる道具であることが分かる。

目星:秘密基地の隅に空のペットボトルが落ちていることに気が付く。

追跡・人類学:秘密基地の中に、最近出来た足跡や、人が横になった跡などがあることが分かる。

 上記は、通り魔事件を起こしてしまった鳥間が、直後からこの場所に潜んでいた事を示す物です。この場所をどう活用するかはキーパーと探索者次第ですが、必要性が出てきた場合に鳥間の潜伏場所として活用するとよいでしょう。

古井戸

 探索者は山の中に古井戸があることについて、何か切欠があれば思い出すことが出来ますが、現在は覚えていません。基本的には、石田から古井戸の話を聞かない限り、探索者がこの場所に赴くことはないでしょう。

 17年前の事件の際に、石田が首飾りを投げ込んだ場所です。

 秘密基地へ向かう山道の途中、その脇の茂みに少し隙間が開いた箇所がある。その隙間を通り、木々の合間の獣道のような場所を歩いていくと、少し先に古井戸が見える。古井戸の上には分厚い半円状の鉄板が二つ置かれ、蓋がされている。鉄板同士はズレて設置されており、少し隙間が開いている。円筒状の石造部分は雨風に晒された跡が見える。葉ずれの音が響く山中に、重々しく存在するその井戸に、何所となく[探索者]は緊張のような物を感じる。

 探索者が井戸の中を覗きこむ場合、次のイベントを起こしてください。

 [探索者]が井戸を覗き込むと、暗闇で何も見えないはずなのに、不定形の黒い塊がどろりと意志を持った泥のように動いたように感じられた。突如として、[探索者]は強烈な頭痛に襲われる。万力で心臓を押しつぶされるかのように胸が苦しくなり、意識が遠くなる。

POW抵抗ロール(12):抵抗ロールに成功した場合は、井戸から身体を引き剥がし、意識を保つことが出来る。失敗した場合は、その場で地面に倒れ込み、1d3時間の間、気絶してしまう。

 上記は首飾りの積年の呪いが一時的に形を成した物です。特に探索するポイントはなく、探索者に対するトラップとしての場所と言えます。この場所の他の活用方法は、キーパーと探索者に委ねられます。

夢見家跡地(夢見堂跡地)

 かつて、夢見家が営んでいた骨董品屋は「夢見堂」と言います。今は店じまいし、跡地にはコンビニエンスストアが建っています。

 周辺の人や、資料などで夢見堂について調べた時には、次のようなことが分かります。

<夢見堂について>

 夢見堂は、夢見家の父親が営んでいた骨董品屋です。夢見家の父親は好事家で、頻繁に海外を旅しては、珍しい古美術品やアンティーク家具などを持ち帰り、それを夢見堂で売っていました。二人の娘(桜子と雪乃)はよく店内で両親の真似をして、店員のように振舞っていました。

石田家跡地(画材屋)

 石田家は17年前の事件の後、この家から引っ越していきました。かつて石田家があった場所は現在、小さな画材屋になっています。

 閑静な住宅街の中、一軒だけ街道に面した方角が開け放たれた建物がある。17年前には石田の自宅があった場所に建つそれは、小さな画材屋だ。中にはイーゼルや筆、絵の具といった画材の他、粘土や石膏像など様々な美術の道具が置かれている。中では人の良さそうな男性の老人が、椅子に座って店番をしている。

 画材屋の近くを通りかかる場合、下記のイベントを起こしてください。このイベントはシナリオを進行させる上で重要になる”黒木家への誘導”です。

 「あら、あなたは…?」

 [探索者]は突然、女性に声をかけられる。50代程度に見えるその女性は、[探索者]の顔をまじまじと見つめる。

アイディア:女性が黒木家の家政婦であることを思い出す。17年前にも黒木家に勤めていた女性で、[探索者]の面倒もよく見てくれていた。

 「[探索者]君!まあ、大きくなって。懐かしいわね、私のこと覚えている?」

 女性は[探索者]のことを思い出し、笑顔で話しかけてくる。

 黒木家の家政婦は、探索者の近況などの世間話をしたがります。(黒木家の家政婦についての詳細は、「黒木の家」の項をご参照ください)探索者の話を一頻り聞いた後、黒木家の家政婦は次のように探索者にお願いをします。

 「匠(黒木)のお坊ちゃんは、最近、家に篭りがちなの。優しい、いい子だから、もっと外に出て欲しいと私は思ってるんだけど…。[探索者]君、今度、家に遊びに来てくれない? お坊ちゃんも、昔の友達だったら喜んで相手をしてくれると思うの」

 黒木家の家政婦は、探索者にお願いをすると、にこやかに挨拶をしてその場を去ります。探索者はこのイベントによって自然に黒木家を訪れることが出来るでしょう。  

 なお、この時に家政婦が買いに来ていた物は黒木が使用するための画材です。油絵の具や粘土といった物を購入しています。

浦澤の自宅

 浦澤の自宅は、17年前と同じ場所に、かつてと同じように建っています。メイン探索者は17年前に、浦澤の自宅で遊んだことがあり、その両親とも面識があります。

 探索する場所としては、特に手がかりはありません。浦澤の家族や自宅については、設定をしませんので、キーパーで自由に演出を行ってください。

 また、もし浦澤の自宅付近を探索者が訪れた場合は、「石田家跡地(画材屋)」の項を参考に、黒木家への誘導を行ってください。黒木家の探索はシナリオを進行させる上で重要なポイントとなります。

シナリオ 定期イベント

※キーパーは下記イベントを、探索パート中に順番に起こしてください。タイミングの目安を明記しますが、探索者の状況によって、イベントを起こすタイミングはキーパーが判断してください。

定期イベント(第一段階):浦澤からの電話

 キーパーの裁量により、適切な時期に、このイベントを起こしてください。今回のシナリオに、桜子が深く関わっていることを窺わせるイベントですので、なるべく早く起こすとよいでしょう。イベントを起こす機会の目安としては、シナリオ開始から二日目の夜(探索を始めた日の夜)がよいと思います。このイベントは夜間に起こしてください。

夜、探索者の携帯電話が鳴り響きます。携帯電話の画面を見ると、浦澤から電話が掛かってきていることが分かります。キーパーは下記を参考にイベントを進行させてください。

 電話に出ると、浦澤は[探索者]の話も聞かず、一気にまくしたてる。

「助けてくれ!桜子に襲われた!腕を切られて…逃げなければ!あ、あぁ」

 唐突に音声が途切れ、電話が切られてしまう。腕を切られたからなのか、走りながら話していたからか、浦澤の声はとても苦しそうに聞こえた。

聞き耳:音声が途切れる前に、何かが水面に落ちたような水音が聞こえる。

 このイベント中に、探索者が電話を掛けても、呼び出し音は鳴るものの、浦澤がその電話に出ることはありません。

 もし、探索者が浦澤を助けるべく、行動を起こす場合には、下記を確認してください。なお、このイベントは時間制限を付けると、盛り上がるかもしれません。その際は制限時間は探索者に伝えず、細かくどの位の時間が経ったか宣言するとよいでしょう。制限時間を越えても浦澤を見つけられなかった場合には、浦澤が助かることはないでしょう。

<浦澤について>

 浦澤は、仕事からの帰宅途中に”幼い頃の桜子”に刃物で襲われて、負傷しながらもそれから逃げています。家の付近から街を流れる川の方向(地図を参照)へ行き、そこから探索者に対して電話を掛けました。助けを求めている最中に、再度”幼い頃の桜子”に切りつけられ、携帯電話を川に落としてしまい、連絡が付かなくなってしまいました。

 この”幼い頃の桜子”の姿をした者は、黒木が作り上げ、首飾りの意志が篭った人形です。寺原の命を奪ったこの人形は、浦澤の命をも狙い、襲撃をしました。

 もし探索者が、浦澤から電話があった旨を警察に通報する場合には、現役警官に関する話として、警察は話を詳しく聞いてくれます。浦澤は仕事を退勤した後で、帰宅途中ではないかと言う情報を掴むことが出来るでしょう。

 探索者が、電話越しに聞こえた水音や、浦澤の足取りから迅速に川へと駆けつけることが出来た場合には、下記を参考にイベントを進行させてください。

 耶奈江市の中心部から外れ、人通りもなく街頭も点々としかない川辺。遠くから聞こえる蝉の音と、川のせせらぎの音に耳を澄ますと、川の上流から男の悲鳴が聞こえた。

 [探索者]が叫び声のした方へ駆けつけると、鬼気迫った表情をし、こちらへ走ってくる浦澤と出くわす。近くに寄った浦澤は、暗闇の中でも分かるほどに青ざめた表情をし、右腕の肩から下が血に染まっている。

「助けに来てくれたのか…」

 浦澤は安心したようにそう呟くと、意識が途切れたかのように、その場に倒れ込んでしまう。

 直後、近くで川原の石を踏むような音がした。そちらの方を見向くと、少女が立っていた。

 [探索者]を襲う強い既視感。少女の容姿、それは[探索者]のよく知る、幼い頃の桜子の物だった。少女は、手に血塗れた小刀のような刃物を持ち、風に髪を靡かせている。

アイディア:その少女の胸元に、子供が付けるには相応しくない大きさの青い首飾りがかかっていることに気が付く。

 少女は無表情のまま、[探索者]と浦澤を一瞥した。その後、不思議な事に、少女の身体を朧な黒い靄が覆い始め、闇夜に身を溶かすかのようにその場から姿を消してしまった。

SANチェック 1/1d4

 人形に襲われた浦澤は、出血した状態で動き回ったため、意識を失ってしまっています。放っておけば命に危険のある状態ですが、迅速に救急へ搬送すれば命に別状はありません。ただし、意識を取り戻すには数日を要すでしょう。

 探索者は、浦澤が何者かに襲われたことについて警察関係者に聴取されることになります。探索者が目撃した不可思議な内容を話したとしても、警察関係者は困ったように怪訝な顔をするだけでしょう。警察関係者は浦澤は鳥間に襲われたものと推測しているからです。警察関係者は探索者に対して、鳥間を目撃していないか執拗に聞くことでしょう。

 もし、探索者が浦澤を見つけることが出来なかった、また浦澤を探さなかった場合は、その日以降浦澤は行方不明になります。連絡をしようとしても通じることはありません。浦澤が行方不明になったことについて、すぐに報道はされませんが、警察や浦澤の家族は浦澤の安否を心配することになります。

<行方不明になった浦澤について>

 浦澤は寺原と同様に、首飾りの意志が宿った人形によって、その命を絶たれています。死体は川に流されており、数日後に下流で発見されることになります。遺体は寺原のように心臓をくり抜かれた無残な状態です。

誘導イベント:黒木家の家政婦

 黒木家について、探索者が自発的に訪れようとしない場合は、キーパーが誘導する必要性も出てくるかと思います。その場合は駅周辺などで黒木家の家政婦(※家政婦については「黒木の家」の項をご参照ください)と遭遇させ、黒木家を訪れるように誘導してください。黒木家の家政婦を用いた誘導については「石田家跡地(画材屋)」の項を参考にしてください。

定期イベント(三日目夜):忍び寄る少女の影

 キーパーの裁量により、適切な時期に、このイベントを起こしてください。今回のシナリオの背景に、黒木が暗躍しているのではと疑心を持たせるイベントですので、黒木と接触した後に起こすとよいでしょう。このイベントにより、探索者がエンディングに向かっていくを想定しています。

 このイベントでは、探索者の行動内容(居場所)に合わせて、キーパーが臨機応変に内容を変化させる必要があります。下に、「夜間に出歩いている探索者に対してイベントを起こす場合」の例を記載します。キーパーは下記内容を参考に、イベントを進行させてください。ここでキーパーが必ず探索者に示すべき重要な点は「少女が人形(作り物)である」と言う点です。

 時々、警察とすれ違う他には、夜間に出歩いている人間はほとんど見受けられない。人気のない道を[探索者]が歩いている。

聞き耳:背後から木靴のようなコツコツと言う足音が聞こえる。(このロールに失敗した場合には後述する人形からの攻撃を回避できない物とする)

 コツという、木靴のような足音。真後ろでしたその音に振り向くとそこには、昔、懐かしい顔。幼い頃の桜子の容姿をした少女が、無表情に刃物を振りかぶり、勢いをつけてそれを振り落とす。

 ここから、桜子の姿をした少女との戦闘ロールを開始してください。(少女の能力は別途資料登場人物一覧(キーパー用)をご参照ください)

 人形は表情を変えず、声も出しません。ただ無感情に刃物で襲い来る姿は、人間の物とは思えません。

 キーパーは情景の描写などを行い、この戦闘を演出してください。辺りに助ける人もなく、このままだと死んでしまうかもしれないと言う状況に探索者を置くことが出来れば、以降の演出がより印象的になるかと思います。

 負傷し、[探索者]が身に危険を感じたその時。視線の先、少女の向こう。暗闇の中で何かがキラリと光を反射したかと思うと、風きり音。ガンと、何かが砕ける音がして、少女が勢いよく横へと飛ばされる。露になった視界には、浮浪者のような身なりをした男が息を切らせて、鉄パイプのような物を構えていた。[探索者]の足元には、少女から砕け飛んだ、彼女の右腕が落ちた。

 それは白く細い、少女の右腕。砕けた断面からは血が流れない。粉っぽく、ひび割れたそれは人間の物ではない。人の形に作られた無機質な塊であるように見えた。

アイディア:目の前の男が鳥間であることに気が付く。

 男は[探索者]を一瞥すると、少女へと睨みつけるように視線を移し、鉄パイプを両手に振りかぶる。その時、突如として、視界を覆うような黒い煙が立ち込める。闇夜に目が溶けていくように視界を奪われる。やがて煙が消え、視界が鮮明になった時、そこには少女の姿はなく、ただ男と[探索者]がいるのみだった。

SANチェック 1/1d4 (少女が闇に消える様を既に見たことがある場合は0/1)

<鳥間について>

 連日報道されている通り、鳥間は8/11の未明、通り魔傷害事件を起こして、警察に追われています。この事件の経緯は、次のようになります。

 8/11未明に自宅にいた鳥間は、忽然と現れた、首飾りの意志が宿った人形(※詳細は「シナリオの背景」の項を参照)と出会ってしまいました。幼い頃の桜子の姿をしたその人形に、鳥間は命を狙われたのです。首飾りの魔力によって心臓を鷲掴みにされたかのような畏怖、及び神話的現象と直面してしまった鳥間は、一時的な狂気に陥ってしまいました。人形に襲われ、刃物で応戦しながらも逃げ出した鳥間は、自宅から外に出た所で、職場から帰宅途中の見知らぬ女性と出くわします。一時的な狂気に陥っていた鳥間は、その女性の後姿を、自身を襲撃した人形と誤認し、手にした刃物で刺してしまったのです。

 その後、鳥間は”桜子の姿をした少女”に襲われること、また、自らが罪に問われることを恐れ、姿を晦ましました。かつての秘密基地や、人目に付かない裏路地などで何とか飢えを凌ぎながら生き繋いでいました。しかし、このままではいけないと街へ下り、”桜子の姿をした少女”に抗おうと決意を固めていました。そんな時に”桜子の姿をした少女”に襲われる、探索者を目にしたのです。

 鳥間は探索者に近寄ると、探索者の身を案じます。自分も今の少女にかつて襲われたこと、自分が起こしてしまった事件のあらましについて、探索者に話してくれることでしょう。ただし、鳥間も少女について詳しいことは知りません。

 落ちている少女の腕については、よく調べれば、それが作り物であることに気が付くでしょう。それは軽く、質感は艶があります。

地質学・適当な芸術/製作:その少女の腕が粘土で出来ていると気が付く。その粘土は石塑粘土と言う、人形を作る際によく使われるものだ。

 この後、鳥間はまた、探索者の前から姿を晦まそうとします。鳥間は今、携帯電話を持っていません。もし、探索者が今後も鳥間と連絡を取りたいと言う時は、「鳥間は現在、かつての秘密基地に身を潜めている」と言う情報を与えてもいいでしょう。

 今後、鳥間は自由度の高いNPCとなります。探索者のサポート役として使用してもよいでしょう。少女に再び襲われ、「心臓のない死体」として発見される演出をしてもよいでしょう。鳥間の活用方法は探索者と、キーパーに委ねられます。鳥間は警察に追われており、見つかればすぐに捕まってしまうことは念頭に置いてください。

 

シナリオ エンディング

※探索の終盤、エンディングのシナリオ進行についてAとBの2パターンを下に記載します。

エンディングA:黒木の屋敷/土蔵

 シナリオを進め、「定期イベント:忍び寄る少女の影」によって、桜子の姿をした少女が作り物(人形)であると気づいた探索者は、創作活動に勤しんでいる黒木匠が今回の事件に深く関わっていると考えるかと思います。探索者がそのように考えて黒木の屋敷を改めて訪れようとした場合は下記のようにエンディングを進行させてください。

 黒木のお屋敷の近くまで来ると、[探索者]の背筋に悪寒が走った。真夏の最中に、一陣の冷風が吹く。無音。いつの間にか、周囲に鳴り響いていた蝉の声が止み、静寂に包まれている。

「うわぁぁぁ」

 屋敷の中から、男の悲鳴が聞こえた。ハッとする。断続的な声は、断末魔の叫び声にも聞こえ、聞く者にも恐怖を突きつける。

聞き耳・アイディア:叫び声の主が黒木であることが分かる。

 この声は黒木の屋敷の敷地内にある、土蔵から聞こえます。屋敷の敷地内に入ると、叫び声の発生源が土蔵であるとはっきり分かるでしょう。屋敷内に人がいる様子はありません。家政婦の中野は、敷地内にいないようです。

 聞こえていた叫び声が、段々と力を失くしていく。声から、その声の主が泣いているだろうことが想像出来る。

 土蔵の中に入る。キャンバス、イーゼル、各所に絵の具の跡。アトリエのような土蔵の内部で、部屋の奥に不自然に空いた穴。板張りの床の一部が剥がされ、そこに地下に続いているだろう階段が覗いていた。

 力を失くし、最早消え入りそうな声は地下から聞こえています。

 古い時代に作られたであろう、石造りの古い階段。四角い螺旋状に地下に続くその階段を下りて行くと、地下室に続いているようで、その部屋の明りが階段に漏れていた。ユラユラと、室内で動く人影が階段に投影されている。

 地下の室内に入る。夕焼けのような温色の光に照らされたその室内に足を踏み入れ、[探索者]は思わず立ちすくむ。周囲に人、人、人。部屋の壁沿いを埋め尽くした、多数の小さな少女たち。少女たちは、その場からピクリとも動かず、その視線は[探索者]にくれている。数十人はいるだろうその者たちは、様々な表情をしているが、皆一様に同じ”顔”をしていた。その顔に[探索者]は見覚えがある。その少女たちの顔は、幼少期の桜子そのもので、それぞれに今にも動き出しそうな”生命”を感じた。

SANチェック 0/1

 部屋の中央で黒木が腹を抑えて床にへたり込んでいた。その腹部からジワッと床に広がる暗い色の液体。

「痛い、痛いよ」

 腹部から血を流した黒木の泣き声が地下室に木霊している。その弱々しい男の目の前に、仁王立ちする一人の少女。周囲の少女たちと同じ顔をしたその少女は、新鮮な血液を滴らせた小刀を手に持ち、その小さな身体にはおよそ似つかわしくない大きな青い首飾りを首に下げている。透き通るような青い首飾りを目にした[探索者]は一瞬、立ちくらみのように、意識が遠のく。球体の青い宝石の中で、キョロキョロと動き回る瞳のような黒い影が、[探索者]に照準を合わせて動きを止める。その首飾りには”禍々しい不浄な物”が潜んでいる、[探索者]にはそのように感じられた。

SANチェック 1/1d3

 桜子の顔をしたその少女は無表情で、視線は黒木を見下しているよう。ふと、何か落し物を拾うようにその少女は屈み、床に伏した黒木の髪の毛を手のひらで鷲づかみにした。そしてそのまま、黒木を持ち上げる。少女の身長では黒木を宙に浮かせるほどの高さではないが、細身とは言え成人した男性を、その重さなど感じさせない動作で吊り上げた。

 「がっ…」

 髪の毛を掴まれて持ち上げられた黒木は足に力が入らないようで、苦しそうに身を震わせた。儚い抵抗を見せるその男に、少女は手にした短刀を振り上げ――。

 ここで、探索者の行動を確認するとよいでしょう。黒木を助けることも、あえて助けないこともあるのではないでしょうか。探索者が黒木を掴みあげる少女に体当たりなどすれば、少女は体勢を崩して黒木から手を離します。少女の手から離れた黒木は多量の出血をしていますので、応急処置などのロールが必要になることもあるでしょう。

<黒木が何故襲われているのか>

 黒木は古の魔術師の意志に、その精神を侵されて偏執的に桜子の人形を作っていました。その人形が外で凶行を起こしているなど、黒木は考えていませんでした。実際には、黒木の見ていない間に少女の人形が動いた形跡があったり、不吉を予感させる事象は多々あったのですが、一種の狂気的状態にあった黒木は、それを桜子の人形に魂が宿り始めた物と勘違いし、喜んでいました。

 魔術師の意志によって探索者の友人たちの命を奪い、魔術師の復活のための生贄(心臓)を集めた人形は、ついにもう一つの心臓を捧げることで魔術師の魂を復活させることが出来る段階にまで至っていました。人形は、その最後の心臓に、手近にいた黒木の心臓を捧げるべく、最後の凶行に出たのです。

 黒木を助けた場合も、助けなかった場合も、人形は眼前に現れた探索者の命を奪うべく、襲い掛かってきます。下記を参考にエンディングを進行させてください。

 突如として、少女の背後に暗闇が現れた。照明に照らされた室内で、そこだけ空間から抜け落ちたように一切の光を反射していない。その暗闇から、粘度の高い液体がぶくぶくと細かな気泡を破裂させながら流れているかのような音がする。その音は段々と大きくなり、ヘドロが溢れ出すが如く、ゼラチン状の物体が眼前に流れ出た。暗い玉虫色をし、ナメクジのような質感をしたそれは、その表面をゆっくりゆっくりと伸縮させ、生命体であると窺わせる。臓物のような強烈な悪臭で、思わず息が詰まりそうになる。魂を侵す、宇宙的な恐怖が[探索者]をギリギリと押しつぶす――。

SANチェック 1d3/1d10

 上記の玉虫色の物体は、魔術師の意志が、蓄積した生贄の力をもって召喚した、”ニョグダの一欠けら”です。強大な力を持つグレート・オールド・ワンであるニョグダから分離した、その一欠けら。己の意思を持たず、僅かな知能しか持たないそれは、ニョグダそのものと比べると非常に弱々しく、消え入る陽炎のような存在ですが、一人間にしてみれば命がいくつあっても足りないような、強烈に禍々しく、恐ろしい物です。

 暗い玉虫色のゼラチン状の生命体は、その表面に僅かな突起を作り出したかと思うと、その突起から弾丸のような速さでしなる鞭のような何かを繰り出す。[探索者]のすぐ横を掠めたそれは、[探索者]の背後で巨大な衝撃音を響かせる。振り向くとそこにあったであろう少女たちが、その身体を構成していたであろう粉っぽい部品を辺りに撒き散らして大破し、壁には大きな亀裂と共に、ゼラチン状の生命体から伸びた触手が突き刺さっていた。触手はぶるぶると震えると、再び縮んで生命体の下へと戻っていく。

 このニョグダの一欠けらは、魔術師の意志によって、自由に変形し、触手のように伸ばした肢で[探索者]たちに襲いかかります。ただし、ニョグダの一欠けらは所詮は己の意思を持たない欠けらであり、魔術師の意志も魂の復活していない不完全な状態です。探索者に襲いかかる触手は、その身をコントロール出来ずに見当違いな所(例えば周囲の壁沿いに置かれた少女の人形たち)を攻撃することもあるでしょう。

 青い首飾りを首にかけ、血塗れの少女は無表情のまま、ゼラチン状の生命体の前に佇んでいる。ゼラチン状の生命体が身を震わせるたび、少女の髪の毛は風に揺れるが、少女の身体は微動だにしていない。ゴポゴポと灼熱に溶けた鉄のような音を立てながら、ゼラチン状の生命体は少女に寄り添っている。その様はまるで、”少女がその生命体を使役している”かのように見えた。

 上記を伝えた後、ニョグダの一欠けらとの、戦闘ロールを開始してください。(ニョグダの一欠けらの能力は別途資料登場人物一覧(キーパー用)をご参照ください)

 なお、ニョグダの一欠けらが活動している間、少女は一切の身動きをしません。魔術師の意志は、ニョグダの一欠けらを使役するのと同時に、人形を動かすことが出来ないからです。

 探索者にとってこの戦闘の勝利条件は、少女の人形が付けている首飾りの破壊にあります。少女の人形を破壊するだけでは足りず、ニョグダの一欠けらも動きを止めません。

 探索者が少女の付けた首飾りを壊した場合、下記を参考にエンディングを完了させてください。

 [探索者]が首飾りを壊した時、[探索者]たちがいるこの空間がガラスのように割れたような音が響き渡る。途端、ゼラチン状の生命体はピタリと動きを止め、その身体から鳴らしていたゴポゴポと言う音も止んだ。突然の静寂に包まれる中、ゼラチン状の生命体は干乾びたように身体を小さくしていき、皮だけになったかの如く床に落ちる。先ほどまでの暴力的な様が嘘のようだ。

 己の呼吸音と心拍音だけが聞こえる静かな時間が流れた。[探索者]は悟る。ああ、自分はこの難局を見事に潜り抜け、生き延びたのだと。

エンディングB:強制終了

 探索が上手くいかず、黒木を黒幕として怪しいと踏めなかった場合は、多くの謎が残っていたとしてもシナリオを強制終了させてしまいましょう。シナリオが長引いて良いことはないからです。桜子の姿をした少女(人形)に探索者たちを襲わせてください。桜子の人形は黒木の土蔵に多数保管されています。壊されても壊されても探索者たちを襲い続けることでしょう。その過程で探索者が、この少女たちが人形であることに気が付き、黒木がこの事件に深く関わっていると考えて黒木の屋敷に踏み込むような行動を起こした場合は、エンディングAを参考にイベントを進行させるとよいでしょう。

 

シナリオのその後/正気度報酬

※探索を終了したその後の世界についてと、クリア後の探索者への報酬について記載します。

シナリオのその後:魔術師の復活を阻止した場合

 シナリオのその後の展開は、シナリオ中の探索者の行動に大きく左右されます。シナリオ中の展開に基づいて、キーパーの裁量で各キャラクターのその後の様子を描写するとよいでしょう。

 古の魔術師によって精神を侵され、偏執的に人形を作り続けていた黒木は、自ら作り出した人形に付けた首飾りを探索者たちに壊されることによって、その呪縛から解放されるでしょう。

 このシナリオは探索者やその周囲が、天災のように暴力的で不可避な怪事件に巻き込まれた物で、何かを救う訳でも救われる訳でもないので、クリアをした場合もハッピーエンドの幸福感のような物は感じ辛いかと思います。そうした場合は17年前の事件以降、意識不明だった桜子が意識を取り戻すような演出をするなどして、エンディングを彩ってください。

シナリオのその後:魔術師の復活を阻止出来なかった場合

 魔術師の復活を阻止できなかった場合、生贄を捧げられたことで、魔術師は現世に復活します。魔術師は以前に増して、己を復活させたニョグダとニョグダの力に心酔し、崇拝することでしょう。そしてその崇拝は、傍から見てとても狂気的な物です。復活した魔術師によって、不幸で惨たらしい目に合わされる人の数は、一体どれほどの数になるでしょう…。

成功報酬

  • エンディングで黒木の作り出した人形の首飾りを壊し、古の魔術師の陰謀を阻止した場合:1d8の正気度報酬
  • 浦澤が生存している場合:1ポイントの正気度報酬
  • 黒木が生存しており、黒木の精神が古の魔術師の意志から解放されている場合:1ポイントの正気度報酬

 

あとがき

 もし、こんな長文のシナリオをここまで読んでくださった方がいらしたら、本当にありがとうございます。このシナリオは、ネット上に自作のシナリオを放流するに当たって、初めて形式的に書き起こした物になります。シナリオを他人に分かるように文章化するのってこんなにも大変なんだと改めて思い知らされました。正直、内容も滅茶苦茶にゴチャゴチャしてるし、文章力も青くて拙いので、シナリオとして崩壊してるかもしれません。ただもう直す気力も今は尽き果ててるので、このまま公開させてください。これを読んでくださった方が、私の未熟を笑いながらも、修正や調整を入れて、何所かでセッションなんかしてくださったら幸いです。

 私自身が何かのシナリオをキーパーをする時に、いつも困ることが情景の描写とかなんです。シナリオの文章って基本的にキーパーに対する情景の説明であって、探索者に対しての文章ではないじゃないですか? こう、シナリオの文章を読みながら探索者に「●●の●●は●●で、●●が●●だね。」とか説明してると、「それで●●の●●が…あ、イッケネ!ここ読んじゃいけない奴だ」ってなるんですよ。私のキーパー力が低いばっかりに。

 なので(まずは私が)キーパーしやすいように、基本的に状況に合わせて読めばいいだけの欄を作ってみてます。逆に色々分かり辛くなってるかもしれませんが、いかがでしょう。探索者の不測の行動に対処し辛くなっているかしら…。

 シナリオの内容としては、息も吐かせないほど立て続けに起きる怪事件に、探索者が振り回されながら、一体誰が犯人なのか悩むって話を作りたくて、作ってみたものです。周囲の皆が怪しくて、何所から探索したらいいか分からないよ!っていう感じにしたかったのですが、上手く出来ていますでしょうか?

 このシナリオ、ちゃんとテストプレイ出来てないんですよね。一度自分がキーパーしてセッションしてみてるんですけど、その時は黒幕も違ければ色々異なっていて、整理してこんな風にまとめた後は一度もやれてないんです。やってみたいんだけど探索者してくれそうな友人がもうこのシナリオの内容掴んじゃってるから出来ないという…。いつかキーパーしてみたいです。キーパーしてみて始めて分かる欠陥とかあるので。その時はこっそり修正入れとくようにします。

 それでは皆様。お疲れ様でした。(2015/11/29)
 
 
 
 

-CoCシナリオ, 作者:ホリ, 耶話鳴えオリジナルシナリオ

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